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栄光なき兵士達に捧ぐ 町田道隆詩

君はいつも笑っていた
黄ばんだ前歯はいつも乾いていた
悲しいことなんてまるでひとつも知らないみたいに
君はいつも笑っていた

とある夏の日の午後
陽炎でぼやけた海岸線を僕と君はオートバイを走らせていた
二人ともアルバイトをずる休みして
生暖かい風が心地よく
目的地まで後僅かのその時 突然の通り雨が
僕らは鉄塔の影で雨宿りをした
「やっぱ雨ぐらい降ってくれなきゃ張り合いないよな」
君はそう言って笑うと、ポケットからしけた煙草を取り出し
とても嬉しそうに火を点けるのだった
行き先もわからず約束さえもすることが出来なくいくせに
でっかい夢ばかり見てる僕らに
「そんなんじゃだめだ」と誰もが言うけど
僕らはただ楽しんでいたいだけなんだ
「負けたくないのなら とにかく金を稼ぐ事だな
話はそれからだ 青臭いガキどもめ!」
そんな言葉に胸を痛める夜もあったけど
僕らただ笑いたいだけ
心の底から笑いたいだけなのさ

悪い予感と不安な未来に怯え続けるそんなタチの悪い日々
なかなかベッドから起き上がろうとしない僕を叩き起こす着信音
「今からまた旅に出るよ おまえも来ないか?」
君は相変わらず元気な声でそういった
そしてそれが最後に聞いた君の声だった

君は帰ってこなかった
君は帰ってこれなかった
もう誰も行く事の出来ない道という道の果てへ
たった一人で君は旅立ってしまった
あの夏の午後のような
陽炎でぼやけた路面の上を

あれから数ヶ月後 不意につけたテレビニュースの中
イラク兵の自爆テロにより死んだアメリカ人の名前が読み上げられた
だけどニュースキャスターの誰一人として読み上げる事はなかった
アメリカ人によって殺された イラク兵たちの名前を

いつの日だって変わりはしない
強いものが正しくて 弱いものが間違ってるんだ
そんな矛盾に頭を抱えるとき
僕はいつだって君の笑顔を思い出す

栄光なき兵士達よ あなた達はどんな地獄を目の当たりにしたというのか
栄光なき兵士達よ あなた達はどんな楽園を思い描いていたというのか
守るべきものはなんだったのか 愛すべき人は誰だったのか
もし、あなた達を敗北者と呼ぶのなら
この世に勝者なんて一人もいない
この世に勝者なんて一人もいないさ

十二月 街はすっかり色気づき
偽者のクリスマス・ツリーに 3分40秒のラブソングが溢れかえる
もうまるで何年も前の出来事かのように 誰一人として語りだす奴はいない
遠い空の下 たくさんの名もなき人たちが死んだ事
そして君の事を

風に曝され 北極星さえ凍える夜
どんな悲劇も過去というゴミ箱の中 ひねって捨てられてしまう

栄光なき兵士達よ どうか今夜僕に力を与えて
今夜誰よりも大きな声で歌ってやりたいんだ
栄光なき兵士達よ
栄光なき兵士達よ





友部正人詩監修のLIVE! nomedia 2004に収録されている
ロックシンガーの「町田直隆詩」の詩です。

やられました。

逸話は、実話なのか?でないのか?は、
どうでもいい!!

町田直隆詩の叫びです。

(尾崎豊詩的なイージーライダー的なイマジン?です)

強者ってなんだ?権力って、ずる過ぎるぞ!!

弱者の命だって、同じように尊いものなんだよ☆

詩には、
「あえて難解な表現や漢字を使う」言語博学だと自負する
優越感は、いらない。

みんなの身近な ことば でないと、
読んだり聞いたりしては、くれませんよ!!


町田直隆詩と にぎにぎ の共通点は
リフレイン(繰り返し)の妙か?



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